梅毒で失明する?(梅毒の症状)
梅毒の症状は多彩で、眼に表れた場合は失明の危険もあります。
原因不明の両眼視神経炎で眼科を受診しても、原因が梅毒であると気がつく眼科医は少ないかもしれません。
経験豊かで井上眼科病院名誉院長をなさっている若倉雅登先生のコラムを読んでそう感じました。
●若倉雅登先生のコラム
「風俗店に出入り」でピンと来た!
…謎の視力低下、梅毒が原因
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170524-OYTET50018/#csidx6a0933c8034475ebb0e60f19b047b61
コラムには、原因不明の両眼視神経炎で通院していた50歳代の男性のケースが書いてありました。
原因がわからないまま通院1年が経過した頃、ちょっとした会話から患者が風俗店へ出入りしていたことを知ります。もしやと思って梅毒検査を行ったところ、視力低下の原因が梅毒だとわかった…と、要約するとこのような話です。
若倉先生も、もちろん患者さん自身も、原因が梅毒だとは、夢にも思っていなかったといいます。
たとえ熟練の医師でも、検査せずに視神経の様子を見ただけで症状の原因が梅毒だと、即座にわかるわけではありません。
視神経萎縮の原因は梅毒だけではなく、他にもたくさんあるからです。
また、通常の性行動で、梅毒がいきなり目に感染することはまずありません。
梅毒1期、梅毒2期の症状を見逃したか、あるいは無症候梅毒で体表に症状が出なかったため、そのまま梅毒のステージが進行し、3期以降に視神経炎やぶどう膜炎の原因となったのでしょう。
それ以降、先生の病院では視神経炎の原因検査のための血液検査に、必ず梅毒検査を加えるようにしたそうです。
若倉先生の神経眼科外来だけでも、ここ10年間で梅毒性視神経炎は5例を超え、頻度が上昇しているといいます。感染の拡大を感じますよね…。
梅毒は発見までが早ければ、それだけ治療期間も短くすむ性病です。
症状はないけれど、確認してみたい、感染しているか不安…という場合は、郵送式の検査をという選択もあります。
梅毒検査のタイミングは、感染の機会から4週間経過後であれば可能。
※厚生労働省のHPでは「感染してから十分な期間(約3週間)をおいて検査結果を確認する」と表記されています
不安な行為があった場合は迷わず一度検査を受けておかれると良いでしょう。
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- 梅毒はどこから感染したとしても血液によって全身に移行し感染場所以外にもさまざまな全身症状が出てきます。「梅毒性脱毛」も梅毒2期の全身症状のひとつです。
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